私たちは、世界の香りに目が行きがちです.
我が日本には、どのような香りの歴史があるのでしょうか.

仏教と共に中国から、香りが入ってきました.
香木は原産地から直接入ってきたのではなかったのです.

日本書紀に、淡路島に漂着した香木が謙譲された、という記事が日本最古の香りの記録です.
正倉院など奈良のお寺には、香炉、香木などがあります.
正倉院に納められた香りの品は、仏具として使われていたもの、或いは衣に香りを写す道具などでした.

奈良時代には練香を焚く風習がありました.
香木の粉粒を練り合わせて固めたものを、間接的な熱によって香りを焚くものです.

ひとつの香りだけを愉しむ方法は、鎌倉時代になってからです.
現在の、香道の始まりかもしれません.

戦国時代には、ブームも薄れましたが、
江戸時代に復帰しました.

伽羅(きゃら)は最高級の香りで現在では3g2万円もする木ですが、
このブームもこの時代からありました.

また、香りを五味(甘、酸、辛、苦、鹹)で表現することが考案されました.
この五味は、流派によりましても、異なります.

西欧化をめざした明治時代には、香道は流行りませんでしたが、
第二次世界大戦後、日本人は心のゆとりを求めるようになった頃、香道、香りへの流行をもたらしています.