アロマセラピーのれきし


芳香そのものを使った治療は、すでに数千年前に始まっていました。
古代エジプトで紀元前3000年ころに最古のピラミッドを建設したのが、
ジェセル王の建築家であり医師でもあったイムホテップという人物です。
この人はのちに「医学と治療の神」として崇拝されました。
このイムホテップは芳香物質がさまざまに活用されました。
たとえば、ミイラをつくるのに使われた没薬(ミルラ)は
薬用としても重宝されました。

新約聖書によれば、イエス・キリストが生誕したときに
やってきた東方の三博士は、
贈り物として「乳香」「没薬」「黄金」を携えてきたといいます。
乳香は薫香として用いられた香料で、
現在のアロマセラピーでも心身を調整するものとして使われます。
古代ギリシア、ローマでも、芳香が健康に
役立つことは広く知られていたのです。

11世紀後半、ヨーロッパはアラブに十字軍を進攻させます。
これより100年程前に、
アラブの医者イブン・シナーが、
植物からエッセンシャルオイルを抽出する方法を確立しており、
十字軍の兵士たちは、この技術とアラブの香文化を
ヨーロッパに持ち帰りました。

19世紀に入り、化学が進歩するにつれて、
民間の芳香療法は、次第に忘れ去られるようになりました。
ところが20世紀始め、フランスの比較病理学者ルネ・モーリス・ガットフォセが
研究中にやけどを負い、この傷をラベンダーのエッセンシャルオイルで治したことから、
エッセンシャルオイルの科学的な研究が始まります。

ガットフォセは、エッセンシャルオイルが人体に好影響をもたらすことを発表し、
これを「アロマセラピー(芳香療法)」と名づけ、
のちの研究者に大きな影響を与えました。



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